境港市にある庄司家には元治元年(1864)鳥取藩主浜の目巡視にあたり、
休息所を命じられた為に建てられた茶座敷があります。
母屋の東に前庭を挟んで廊橋(渡廊下)を通じて南北に建てられており、茶室・湯殿・
雪隠を一棟に構成する全国的にも例の少ない建築。
御当主、尚史氏を中心に又賀のお姉さま、樂のお妹さま、そしてそれぞれのお連れ合い
皆様が一致団結して知新茶会を始められました。
古くからのお付き合いでいらっしゃいますのね。
ご親族を含めて 町のみなさまにも 和敬のこころがにじみ出ているように感じられました。
あなたのおかげで わびすけも未知の土地で しみじみとした ひとときを過ごすことができました
濃茶席で、お正客となられたわびすけ先生 (おかげで私が次客です!妹が3客ね) が
林屋先生に 「蓮根餅」が美味しかったことをおっしゃると、
このご挨拶をい
ただいたのは初めてと手をとってお喜びになりました。
(シャッターチャンスは逃しました)
ご亭主は点前座から 正客の位置にいる私にさっと 手をお出しになったんですね。
私もうれしく 握手させていただきました〜。
あなたがカメラをこちらに向けられた時に 主からご注意を受けて撮れなかった、でも私は
撮っていただきたかったですよぉ〜〜 シャッターチャンスって二度とないのですものね。
お茶席で究極のことは、やはりお茶とお菓子なんですね。
それがよーくわかりました。
ほほほほ、、、まあ、昔から喫茶去(きっさこ)という禅の教えもあることですし。
ただ、この度は由緒正しいご名器がずらりと並んだ一会でしたから どなたもお道具を
褒められたのではないでしょうか。それは当然のことと思います。
茶室は 精神文化を共有できる場所でもあります。
けれども主は客のためにこの一会にふさわしい菓子を選び吟味して 茶を呈するのですよね。
お心入りの菓子がほんとうに美味しく 私はありのままに申し上げただけなんです。
お茶は 「はやしや」。主のご実家で作られているお茶でしたね。よいお味でした。
濃茶 床 一爐柴火煙(いちろさいかのえん)
囲炉裏にくべられた粗朶が煙をたちのぼらせて燃えている。山里の風景。
名残の時季にぴったりですね。
そうですね。筆者は大徳寺江月和尚 欠伸(あくびの意味)子 欠伸子という号はよく見られますが、
この書には 欠伸子茶炉下 とありました。これは珍しい署名ですね。
茶炉とあるのは、今みられるような茶室の炉ではありません。禅ではやかましく言われているもので、
ちょっと抜粋してみましょうか。煎茶に通じる世界のようですね。
碧岩第四十八
王太傅入招煎茶,朗上座与明招把,朗翻却茶。太傅,:“上座,茶炉下 是什?”
朗云:“捧炉神。”
捧炉神とか 茶炉を踏み倒すとかの むつかしい問答は 要するに人間の心を問うている
ものだろうと思います。物・情緒に捉われては 真実は見えてこない…
濃茶席会記(violettaさん 打ち込み)
釜 雲龍 兎耳 西村九兵衛作
風炉 雲龍 辻井播磨作
水指 南蛮耳付 井上公爵旧蔵
茶入 瀬戸玉川手 佐保山 小堀遠州歌銘
(神無月 志ぐれふるらし 佐保山の まさ木のかつら 色まさりゆく)
仕服 木下裂・伊藤漢道
茶杓 随流斎共筒 翁 堀内宗信箱
ごま竹だった。多満柳を思い出しました!
茶碗 光悦赤 大ふく 本阿弥光悦作
呉器
黒樂 小鷹 如心斎箱 3代 道入作
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茶杓 ごま竹で 中宮寺わびすけ席を思い出していただき 光栄です
薄茶席会記
薄茶席の床は本阿弥光悦消息 曽我又左右衛門宛 この度吉左衛門親子被下候
本阿弥家と樂家は大変近い距離にあり、関係も大変深い。濃茶席の「大ふく」をはじめとする樂茶碗の制作は
おそらく常慶から手ほどきを受け若い道入に手伝ってもらって行われたと思われる。
この掛物は光悦がこの親子を徳川家に紹介したときのもの。曽我又左右衛門尚祐は家康に召されて徳川家に仕え
秀忠の側近となり、度々上洛もしている人物。父子が江戸に下向するので、くれぐれもよろしく頼むという内容。
釜 ・・・・・達磨堂四方 西村道爺作
大徳寺高桐院にあっただるま堂の香炉を釜にしたのに始まる。
風炉・・・黒樂丸 7代長入作
水指・・・唐子耳大名 5代宗入作
唐子って中国風童子のこと。
黒樂 鹿の声 又玄斎書付 5代宗入作
武蔵野写 9代了入作
黒樂 晴れ姿 鵬雲斎書付 14代覚入作
(高松宮両殿下御前にて造ったもの)
白鷺写 玄々斎書付 10代旦入作
黒樂 栗太郎 当代吉左衛門作
黒樂 雲峰 鵬雲斎書付 当代吉左衛門作
(襲名初釜之内)
右、栗太郎(脇によせて小さく、樂とある)
左 、雲峰 (中心に大きく、樂とある)
七賢平棗
阮籍 竹林七賢人内玄々斎在判、書付
竹林七賢って、中国西晋時代、世塵を避けて竹林に会し清談を事としたと
いわれる隠士。その一人がげんせき。
茶杓 玄々斎共箱 一拳
長板 宗哲
蓋置 吉左衛門作
建水 慶入作
お茶 坐忘斎家元好関の白 一保堂!
菓子 笑い栗 木佐清月堂
菓子器 焼貫竹手付鉢 竹手・・正玄 慶入作
香合 兎 道入作
花入 呂宋手付籠
莨盆 木瓜片手付 一閑作
火入 緑釉蓮弁文 長入作
莨入 蒟醤(きんま)
煙管(きせる) 南鐐(なんりょう) 浄益作
なんりょうって、銀のこと。
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ヴイオレッタさん 丁寧にキ--ボードを打ち込まれましたね。ありがとうございます!
いま、濃茶席と薄茶席を 思い出しまして あらためて 茶事の風格を感じております。
お道具の取り合わせにも 見事な一貫性がございましたね。
庄司家につながる楽家 茶の湯の伝統に 楽焼に 光悦の偉大な影響力があったことを
併せて知ることが できました。 ええ、神無月のふぜいも けっこうでしたよ。
月に兎 鹿の声 けれども 私にはあの有名な 『侘びの文』が 浮かんできたのでした。
侘びというは 正直に つつしみふかく 奢らぬさまを 侘びという。 …紹鴎でしたか。
この季節 先人に思いをいたしますね。

米子にお着きのわびすけ先生と、皆生温泉の東光園でお昼にしました。
ここはお勧めのランチスポットです。
美味しいし、大山・日本海・美しい日本庭園を見ながらのお食事喜んでいただけて
嬉しかったです。
わびすけからも ひとこと フランス風ランチ 見た目もお味も とってもよかったです〜〜
いいお友達とごいっしょ むすめ時代にかえったような 嬉しい日帰り旅行でした。
ヴイオレッタさん そして みなみなさま 心から御礼申し上げます!
その後 10・29 再UP
violettaさんのサイト 消えたページから わびすけ先生米子に御到着!
米子駅はれっきとした山陰の大都市にありますから一本のれっしゃから降りてくる人が
一人なんてことはありません。念のため。 by violetta
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なにぶん超スローモーな
わびすけ おまっとうさん!
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着きました
先ず寄り付きに 正客用の花を無理やり付けられ
ふたりの持ち物はなに?
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席をすませたあと 庄司夫人
ヴィオレッタ姉妹と ごいっしょ
広いお屋敷の中門を背に
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