過去ログ ぞうべさんと 2001年11月〜12月


椿 わびすけの家 ご訪問者との語らい に投稿がありました。
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TIME : 2001/11/09(Fri) 15:37:05
HOST : ns-ama.city.amagasaki.hyogo.jp
NAME : 雑部健一

TITLE: 秀吉と利休。

 わびすけ様へ。こがらし一番も吹き、急に寒くなりました。思えばもう立冬な
のですね。先日の日曜日、家内と二人彦根と長浜へ行ってきました。彦根では骨
董市や菊花展、埋木舎を駆け足で、その後長浜まで足を伸ばしました。北国街道
の要衝、秀吉の城のあった長浜は、昔の建物などを現代風に生かし、ガラス工房
やちりめん細工の店、古道具店が多く結構賑わっていました。長浜は街興しが上
手だなと思いました。そんなこともあって、まだ脳裏に秀吉の名前が残っていた
水曜日、NHKで千利休が秀吉から死を命ぜられるまでの番組を放送していまし
た。利休邸での朝顔の花の件、大徳寺山門の木像の件、豪華で華麗な桃山文化の
秀吉と木と土からの、わび・さびを極限まで求めた利休の確執を番組は描いてい
ました。最後は表千家の一門の方々の茶会のシーンで終わっていましたが、茶道
の世界に生きられる方は秀吉をどう思っておられるのでしょうか。急須から入れ
たお茶を飲みながらふとそんなことを考えていました。晩年、秀吉は利休のこと
を想い、伏見に建築する屋敷のことを家臣に、利休ならどうしたかよく考えて造
るように命じたそうです。長々と書いてすみませんでした。失礼いたしま
す。  ぞうべ




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椿 わびすけの家 ご訪問者との語らい に投稿がありました。
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TIME : 2001/11/10(Sat) 00:09:33
HOST : nttkyto01118.ppp.infoweb.ne.jp
NAME : 椿 わびすけ

TITLE: Re: 秀吉と利休。


ぞうべさん、ようこそ!
尼崎にお住まいなのでしょうか。「和の学校」のリンクからお出まし下さったよ
うですね。先日はメールを有難うございました。古美術がお好きでご夫婦で美術
館めぐりをされるってとてもステキですね。足で歩いて美しいものを探す、これ
はほんとうに大切な基本だと思いますよ。

秀吉と利休のこと、拙サイトの「2000年茶会記」ご覧いただければ私の考え
てることが少しなりとも・・(笑)。秀吉は日本人に人気のある歴史上の人物で
すが、晩年はどうもおかしくなってましたね。でも当時の茶会記を見ると、茶人
としての秀吉は非凡なセンスがあったように伺えます。
古文書などもお読みになってるようにお見受けします。神谷宗湛でしたかたいへ
ん面白い日記です。ではまたどうぞお越しくださいね。




椿 わびすけの家 ご訪問者との語らい に投稿がありました。
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TIME : 2001/11/16(Fri) 16:40:45
HOST : ns-ama.city.amagasaki.hyogo.jp
NAME : 雑部健一

TITLE: 秀吉と利休。(パートU)

 わびすけ様、先日は拙文にもかかわらず、ご返事をいただき有り難うございま
した。早速、2000年茶会記「春の桐陰席」の項、拝見いたしました。わびす
け様の申されるように、切腹を命じた人の子孫からこのように茶会を開いてもら
えるのは、秀吉の人徳なのでしょうね。うーん、日本人って偉い。ところで、こ
の夏、7月だったと思いますが、大阪の太閤園(淀川邸)で友人と食事をした時
、どこの流派の方々かは失念しましたが、茶会をされておられました。あそこは
、庭園のなかに3,4ヶ所の茶室があって履物がきちんと揃えてあったのが、印
象的でした。また、利休居士の墓というのもありましたが、大徳寺にもあります
し、確か堺にもあったように思います。大勢のひとに慕われ?(表現がうまくあ
りませんが)幸せですね。秀吉はこんなことも言っていたようです。(昨日、利
休の作法で食事をしましたが、趣がありました)と。では、失礼いたします。お
風邪などめされませぬよう、ご自愛ください。草々   ぞうべ




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椿 わびすけの家 ご訪問者との語らい に投稿がありました。
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TIME : 2001/11/17(Sat) 23:38:25
HOST : nttkyto01253.ppp.infoweb.ne.jp
NAME : 椿 わびすけ

TITLE: Re: 秀吉と利休。(パートU)


雑部健一さん
パートUと書いてくださってとても嬉しく思います。初めていらしてそれきりっ
という方も存外ございますから。そして桐蔭席のページもご覧頂きご感想までも
・・・。
あなたのように歴史からお入りになるのも自由な見方が出来て面白いでしょうね
。太閤園には私は行ったこともございませんが、旧藤田財閥の別荘でしたかしら
。藤田美術館は存じ上げておりますよ。大阪のあきんどはお金の使い道を知って
いるとよく聞きましたが、日本の古美術蒐集に大きい貢献をした人かも知れませ
んね。
「大亀香合」という大名物をご存知でしょうか?もし興味がおありなら、探して
御覧なさいませ。その結果を教えていただきたいですわぁ(笑)。




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椿 わびすけの家 ご訪問者との語らい に投稿がありました。
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TIME : 2001/11/27(Tue) 10:53:36
HOST : ns-ama.city.amagasaki.hyogo.jp
NAME : 雑部健一

TITLE: 「大亀香合」のこと。(パートU)

 一筆啓上、火の用心、資料入手し調査中。失礼いたします。




椿 わびすけの家 ご訪問者との語らい に投稿がありました。
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TIME : 2001/11/20(Tue) 15:27:06
HOST : ns-ama.city.amagasaki.hyogo.jp
NAME : 雑部健一

TITLE: 「大亀香合」のこと。

 わびすけ様へ。ご下問のありました「大亀香合」について、調べてみました。
私は「香合」を実際どのように使うかは存じませんし、わびすけ様のホームペー
の(茶会)に出てくる写真を見て知っている、という程度の知識しかありません
。さてこの「大亀香合」は、交ち焼(こうちやき)というもので、わび・さびの
シブい器が少なくない茶の湯の世界にあって、色彩の豊かな焼き物ということで
す。京都の野村美術館の所蔵品で、その写真も見ましたが、名前のとおり亀が頭
を持ち上げた姿が大変、愛らしくユニークな形をしていました。交ち焼の香合は
他にもたくさんあるようです。今朝、テレビで洛北の「源光庵」から紅葉の生中
継をしていましたが、とても綺麗でした。またいろいろとお教えください。失礼
いたします。  草々  ぞうべ                      




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椿 わびすけの家 ご訪問者との語らい に投稿がありました。
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TIME : 2001/11/20(Tue) 16:22:11
HOST : nttkyto01028.ppp.infoweb.ne.jp
NAME : 椿 わびすけ

TITLE: Re: 「大亀香合」のこと。


興味を持ってくださって嬉しく思います。安政二年にあらわされた「形物香合一
覧」というのがございます。東西の相撲番付で名品の香合が鑑定されているもの
です。東の大関が第一番なのですが、「大関 交趾 大亀」となっている名品中
の名品なのですよ。当時の藤田男爵がどのようにしてこの香合を入手したか、面
白いエピソードがあるようですよ(笑)。
ぞうべさん、折角ですから、もう少し詳しく調べてみて頂けますか?私もあなた
のお返事を楽しみにしておりますからね。




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椿 わびすけの家 ご訪問者との語らい に投稿がありました。
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TIME : 2001/11/28(Wed) 16:00:23
HOST : ns-ama.city.amagasaki.hyogo.jp
NAME : 雑部健一

TITLE: 「大亀香合」のこと。(パートV)

 わびすけ様へ。「大亀香合」と藤田男爵のエピソードわかりました。彼は、か
ねてこの香合を入手したいとおもっていたのですが、
所有者の生島氏が手放さず
、やっと時節到来し、入札となり彼の依頼を受けた戸田弥七が、7万3千円で落
札したにもかかわらず、なかなか応じずついには、9万円で話しをつけたのは彼
が亡くなる10日程前であったこと。また、この香合に見合う「田村文琳茶入」
を先に友人の馬越恭平から当時のお金6千円で譲り受けていたが、彼は、この茶
入には「大亀香合」が相応しいと、二つ揃わないうちはどんなに所望されても茶
会には出さなかったこと。そして、当時の大阪で名のある道具類はまず、藤田邸
を通り、彼の目にかなったものは「入用」とされ、「無用」の物だけが市中に出
まわったこと等。もうこのような(数寄者)と呼ばれる人はいないのでしょうね
。それからこの「大亀香合」は型抜きにより成形されるので同じような香合がい
くつか存在することもわかりました。以上取り急ぎ、ご報告まで。  草々




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椿 わびすけの家 ご訪問者との語らい に投稿がありました。
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TIME : 2001/11/28(Wed) 16:28:46
HOST : nttkyto04057.ppp.infoweb.ne.jp
NAME : 椿 わびすけ

TITLE: Re: 「大亀香合」のこと。(パートV)


ぞうべさん
 やりましたね!それだけ調べ上げればたいしたものですよ。彼は臨終の時、「大亀香合が
 手に入りましたっ!」という知らせを聞き、会心の笑みを湛えたと伝えられますが、死ぬ間
 際のその執着心には唖然とさせられますね(笑)。私など若い時分にはそうした心境がい
 かにも 俗っぽく感じられ、商人というのはそんなものかと、だからお金が貯まるのだろうな
 んて思ったものでした。しかし人間、死の苦痛と恐怖もなく満足して死ねたらたいしたもの
ですね。

 ところで、もう一つお調べになっていただけませんか?9万円という当時の貨幣価値は現
 在いかほどなのでしょう?ぞうべさんならきっと明快な答えを出してくださることでしょうよ!!





椿 わびすけの家 ご訪問者との語らい に投稿がありました。
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TIME : 2001/12/03(Mon) 14:33:48
HOST : ns-ama.city.amagasaki.hyogo.jp
NAME : 雑部健一

TITLE: 「9万円って」?

 わびすけ様へ。明治も末年の物価をみますと、銀行員の初任給が約40円、巡査初任給 
 約15円、カレー 7銭、食パン1斤 10銭、コーヒーが3銭というもので、大工の日当が約
 1円ですから、今時大工さんを1日頼めば1万円は十分しますので、だいたい1万倍としても
 9億円といったところでしょうか。それにしても買う方も売る方も何とも言葉が出ません。以
上ご報告まで。失礼いたします。





椿 わびすけの家 ご訪問者との語らい に投稿がありました。
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TIME : 2001/12/06(Thu) 00:16:17
HOST : nttkyto007179.flets.ppp.infoweb.ne.jp
NAME : 椿 わびすけ

TITLE: Re: 「9万円って」?

ぞうべさん
時代というものがよくわかって、大変参考になりました。あなたがおっしゃるよ
うに、何とも言葉が出ませんね(笑)。でも今でも世界中にマニアという人々が
いて、有名な俳優や歌手の持ち物が信じられないほどの値段で売買されています
よね。人間の心理というものはいつの世も同じなのでしょうか。ただ、骨董の価
値はマニアというだけではなく、よいものには違いないのでしょうけれども。ま
あこうしたことは、消費経済という観点で茶の世界を捉えると面白いですよ。侘
びという世界とは又違って、歴史や現実の社会をみることも必要でしょう。とこ
ろで、今度は織田信長がどのようにして茶道具と付き合い、家臣たちにそれを与
えることになってか、調べてくださいますか。これは非常に重要な事柄なのです
。ではまた、ぞうべさんのご報告を楽しみにお待ちしております。
 

クリック! 藤田美術館蔵 【交趾大亀香合】 こうちおおがめこうごう




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