2003年10月15日



竹一筋 千家十職 黒田正玄さん


桐蔭会 十月例会  東山 桐蔭席 (10月2日)  
  担当 黒田正玄氏


十月といっても 黄葉は まだまだです。
ただ 天高く 白雲は悠々と ながれます





まず 待合に ここで大変な 掛け物に出会いました








本席 床 坐忘斎家元 一行
   若々しく静かな 書風を 拝しました。









待合掛け物 拡大図






読み下し文






席主 黒田正玄さんは千家十職のお一人。伝統ある竹工芸作家。

天正6年〜承応2年(1578-1653)。越前の人。小堀遠州に茶湯を学び、日参正玄の異名を得た。
黒田庄兵衛から柄杓作りを伝受し、千家の柄杓師となった。子孫代々業を継ぎ12世に至る。


待合を出て 露地を経て 茶室へ。 ご正客ご連客 そのなかで お話もできました。
待合掛物は お使いになる人を得たという印象を 受けました。

私  筆者は宙宝さん。でも、歌を詠まれた方々の三者三様の個性が出ていますね。

主  ありがとうございます。それはどのような…。

私  玄旨法印・幽斎は 自分亡き後の和歌と茶の湯を心配し何か願ったようですね。
    「わが後の世をすくひたまへや」 と。

    沢庵和尚は 出家ならではの感慨。直ぐなる身をもちながら 自分をゆがめる覚悟。
    「われとゆかめる竹の節かな」と。

    遠州のは 行政の長(作事奉行)として 人の処世術を見ているようです。
    「人にまかせてゆがむなり これも直ぐなる竹のこころぞ」と。
 
画賛の絵は 利休が好んだ 蟻ごしの高い茶杓を ほうふつとする 茶杓でした。
竹の持つ まっすくな心をたたえている それぞれの歌に 日本の文化を思うのでした。

主は謙虚に耳を傾けてくださったように 思いました。
が、これはあくまで 私の独りよがり(笑)。
席中にはロータリーのお歴々がヅラリ 内心あきれていらしたことでしょう。





細川藤孝  幽斎 法印玄旨
天正10年織田信長が本能寺で薨(みまか)ると細川藤孝は髪を落し、玄旨法印幽斉と改めた。
若くして歌道や連歌の道を学び、「古今伝授」を受けて和歌の伝統を継ぎ、茶道、料理、音曲、
刀剣鑑定、有職故実などあらゆる学問、芸能の奥義を極めた。

沢庵和尚 (1573〜1645)
天正元年、兵庫出石の生。沢庵は29歳の時、勅令によって大徳寺の住持に出世するも、
3日間で野僧に徹すべしとして退山したという。寛永4年(1627)、紫衣事件が起こる。
沢庵は反骨の禅僧として活動し、その遺言も「自分の葬式はするな。香典は一切もらうな。
死骸は夜密かに担ぎ出し後山に埋めて二度と参るな。墓をつくるな。朝廷から禅師号を受けるな。
位牌をつくるな。法事をするな。年譜を誌すな」であった。

小堀宗甫 遠江守政一(とおとうみのかみまさかず)
1608年に普請奉行として駿河城を築城した功で遠江守に任ぜられ、二条城、大阪城、江戸城西丸など
作事(さじ)奉行としても活躍した。茶道を古田織部に学び、遠州流茶道をおこした。































点心席 広間







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みかえり草







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点心席に まいりますと 今月は特別に 瓢亭さんの縁高点心でした。

席主のお心入れが そこはかとなく 感じとれるのでした。
作家ではなく 自分は千家十職の職人だと 正玄さんは 無言で
語っていらっしゃるようでした。 客への礼が 長年の研鑽によって
にじみでているような  そうした感銘を 私は受けました。


みなさま 
お相伴 ありがとうございました。





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外に出れば 遠山も 照り葉のかなた









10月9日 京都美術倶楽部 松庵茶会(旧時雨会) 十月例会


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かまきり 香合







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シロホトトギス サワキキョウ ノギク







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玄々斎 三夕 竹 花入

ご存知 三夕(さんせき) とは 「秋の夕暮れ」でおわる 三つの歌のことですね。
舟の形をした花入が 「浦のとま屋」
   二重切りの花入が  「槙(まき)たつ山」
稲塚の 花入が    「しぎ立つ澤」

全部書きますと 興が薄くなりますから 歌と作者は おまかせで〜す(^.^)。





ここでも竹が生きています。竹を切ったのは正玄ではないでしょうか。
茶道の場合 家元が銘をつけられ 箱書きをされたならば
その宗匠の作として 言いならわされてきました。
茶杓 花入 蓋置き しかり…

竹は 或る意味で 時として無に徹する 職分かもしれません。





裏千家宗家 稽古場

 
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竹の柱は 行台子 をはじめ こうした 五行棚もあります。
宗家 槍の間での 侘びのしつらい

夏の名残り 風炉の時期も あとわずかで おわりますので
悪いこととは知りながら そっと 撮らせていただきました。
あ〜  罪は もっと 重いぞ〜ですか〜

ごめんやっしゃ〜〜〜



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