2002年12月3日


鵬雲斎今日庵家元 献茶式 北野天満宮 副席



席主 今日庵業躰  高橋宗健師

日時 平成十四年十二月一日 於 京都 北野天満宮・明月舎 


この行列は 明月舎へ

つまり 高橋宗健師の

懸け釜へ 向かって・・・








明月舎の左手前に

ある 梅の古木

苔むして

杖を ついて

おわします が

やがて 花をつけます








ここ一帯は むかし松原

豊臣秀吉が催した北野大茶会

の場所

それを記念して一日と十五日

茶会が開かれています









広間席の点前座の壁に
 
掲げられている 板額

千 宗旦の 筆跡

花押も くっきりと









待合の床に

小色紙 掛け物

花   清香院さま

桜   浄光さま

ご宗家の歴代家元夫人

まことに気品ある合作

花とは?桜があれば花の兄

この場合 梅の花を指します


シンフォニーの序奏

ともいうべき!









本席  一行

鵬雲斎家元

神光照乾坤

(じんこうけんこんをてらす)











花  白菊 万作 忍

花入れ 今日庵伝来写し

珠光青磁  惺入

枯葉の万作が よい景色









明月舎の 屋根

こけらぶきの上に  

最後の 落ち葉

音もなく、、、









床脇に飾られた

お家元からの賜物









      箱書き








棚 更好棚 七代宗哲

水指 雲鶴青磁 仁阿弥

棗 献残 菊絵 平棗

玄々斎在判共箱 社頭梅










香合  四方形

天上の文字  陶陽

釜敷き 丹頂  表吉

茶杓 銘 東風  鵬雲斎家元


 東風(こち)吹かば匂ひおこせよ梅の花 主(あるじ)なしとて春を忘るな


ここ北野天満宮では 梅を愛された菅原道真公をしのび 約五十種 二千本の梅ノ木が植えられています

茶席の醍醐味は 茶杓 と 茶器 その取り合わせに 席主のおもいが伝わって・・・






茶碗 お家元 手造り
葆光トス この銘は 宗健先生の茶室の庵号








ぼんやりと包み込む光 葆光(ほうこう)とは 無為自然の思想 また 光を隠すの意味があり
陰徳 と いうことばにも 通じるのではないでしょうか
この深い銘を 贈られた お家元のこころを想いました

高橋先生は 常に表に立たず 隠徳を積む 方であります
謙虚に 「道・学・実」 の 茶の道を生きて こられました

 ことし限りで座を退かれる 鵬雲斎家元への 感謝の真情があふれた 今日の一会!

でも 葆光(ほうこう)の茶碗は 写真の腕が悪いために 光ってしまいまして・・・

申し訳ございません











釜 真形 浄長

炉縁 海松貝






正客の場所に座らされ

お茶を頂いたあと 

失礼にも さっと

撮った 一枚

臨場感をお伝えしたく・・・











席をしまわれる頃 再度伺って ご無理を申し上げ 撮らせて頂きました



ご夫妻で

一膝 うしろへ引かれた

奥さま

ゆかしいです













茶会が おわった日の 夕べ 朝来た道を ふたたび歩きました
空を見上げると 淡い夕焼けの雲

木々は つぼみをつけて 天に向かって おりました






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