2001年 9月11日

無限忌

茶の宗家の道系 裏千家今日庵 第14世無限斎宗匠ならびに夫人清香院さま年忌法要 

平成13年(2001)巳歳   9月7日 大徳寺山内三玄院にて 


法要のあと、塔頭(たっちゅう)三玄院にて追善の釜。直門の志倶会担当。
茶道と学問をたっとび、「おひと」を大切にされた無限斎(淡々斎)宗匠。
かつて師事されていた 大徳寺瑞巌老師から 碩叟の名を贈られた お方。

当代お家元のご先祖への 父祖への お気持ちは
まことに深く 門人一同 こころして参列させていただきました。

  待合 床 淡々斎夫人 清香院さま自筆歌色紙
本席 床 淡々斎 筆  横もの 月 小書き








香合です。 くわら、けら、とも。この形。お坊さんの袈裟についているようですね。
関心ない? でもこれからは 注意してご覧になって くださることでしょう。
蒔絵は 桔梗の絵。








花   数珠玉 秋海棠 友禅菊(赤紫) ひよどり草 もみじはぐま  

    追善の釜には、こうして数珠たま が よく使われます。
    ここの 花 きっとお宅の畑にも いくつか ありそう・・・。








茶の宗家 裏千家今日庵 の ファミリー

お父上である先代をしのび、茶席担当者の挨拶に応えられる 千宗室家元。 
次いでご長男千宗之若宗匠夫妻。ご次男伊住政和氏(和の学校長)夫妻。
菓子鉢をかえすのは 家元の弟君・デザイナー故大谷巳津彦氏のご長男。









長板 二つ置き  淡々斎が好まれた 風炉 と 釜
灰も 朝 さっくりと 灰匙をつかって 灰形を つくります。
利休居士の 「炭は湯の沸くように置き、」 灰は炭が置きやすいように・・美しく。








待合に置かれていた茶会記。普通これを見てから 本席にはいります。
私は アマノジャクですから 前もってあまり見ません。本番を楽しみにするが故に。
なお、この字はハハア、あの男性。もと奈良県庁のお役人、今はプロ茶人のMさん。








もとは中国で 香炉だったものでしょう。それにしても大きいですね。
足の模様は 獅子? それとも 人の顔???








薄茶席では 禁煙なんて 申しません。 どうぞごゆっくり おくつろぎください、と。
でも、なぜか 吸う方は めったに ありませんね(笑)。
宗家 ファミリーの方々も、 それは和やかに 拝見してくださいました。
火入れを手にしたとき、ほんのりと暖かく 火がジョウをもっている 風情を
ご覧になります。 そして一つ一つ、ねぎらってくださいました。
灰吹きは 切りたての青竹。中には火消しの水がすこし入って います。








主茶碗を 拝見される家元。数珠をおつけになった掌に しっかりと持たれ。
淡々斎銘 「掬水(きくすい)」 。いにしえの京の陶工・仁阿弥の作。
黄伊羅保は朝鮮の古陶ですが、京の町で出来たこうした和製の陶器も また、
ちがった趣の 味わいが あります。日本人の持ち味と いえましょうか。

おなじく茶碗に 目がそそがれている 若宗匠。
ふつうの 父子 の すがた ですね。 でも 少し 羨ましいほどの(笑)。

どちらかといえば、「おじいさんっ子」で あられたような 方かも知れません。
お書きになる書画も、その淡々斎を 髣髴とするような どこか大らかな感じを受けます。

日本という国の 或る一つの 家庭のすがた、 ささやかなこれは レポートでございます。
皆様のご協力 心より 感謝いたします。

                         合掌



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