2001年12月23日
修道院 の ねこ ドピイ
アメリカ人・シスタージーンを 愛してやまなかった 猫ドピイ
修道院のへやで photo by Sr.Jean |
|
ドピイって 白雪姫に出てくる 7人のこびとの 末っ子の 名前なんだそうですね。 30年前に日本にやってきた アメリカ人修道女 シスタージーンが 名づけたのだそうです。人間のそれも学生にはちょっぴり 怖い存在だったジーン先生。京都市にあるN女子大で 英語を教えてらしたプロフェッサーです。 今はむかしになりますが Sr.ジーン先生が 修道院から学校へ通勤の道すがら 川沿いに歩いていた。そこへ小さな野良猫が トコトコついて来て、そのまま学校に到着。仔猫は当然学生たちに紹介された。「誰か貰ってくれるひとはありませんか?」。貰い手はありました。はい、いったんは。 けれど、明くる日には、立派な外車に乗せられて、子猫は出戻りむすめと相成って、修道院へ返されてきたといいます。「 どうもうちの犬と折り合いが悪くって! 」。 ああ、なにしろ厳しい修道院には ご法度が色々あるんだそうです。でも、仔猫はなぜか飼い猫となってその日からママのこどもになりました。あのね。ドピイってこびとは本当は男の子。でもこの仔猫は女の子。Sr.ジーンにこうして名を付けてもらい、仔猫はみんなからも そう呼ばれるようになりました。 ドピイ〜♪ |
|
洗濯かごのなかで 謹慎中 photo by Sr.Jean |
|
センタクキのなかに 入りたかった ただ それだけ グルグル回るのが おもしろかった 見てるうちに ちょっと手を 入れてみたくなった たった それだけ |
|
新聞の上で photo by Sr.Jean |
|
エイゴシンブンの上と ニホンゴシンブンの上と ママは2枚撮った エイゴのほうは アメリカに もって行っちゃった ある日 シスタージーンは ドピイを大声で 呼んだそうです。 「ドピイ、 ボーイフレンドの オー(O)クンが ネクタイ締めて やってきたよ!」 その オー(O)クンとは、近所に住むO家の オス猫のこと。 ちゃんと、あたらしい首輪をつけて やってきたんだ そうですよ(笑)。 |
|
アメリカみやげ photo by wabisuke |
|
シスターから 10年くらい前でしたか、アメリカのお土産を 戴きました。 クリスマスの靴下 でした。 ねこの 足ゆびも ちゃんと 作られていました。 壁にかけて もう色も古く褪せてしまいました。 えっ なかに何が入っていたかって? おわかりでしょう。うちのドラネコの為の プレゼント! アメリカ製の それは可愛い キャットフードが入っておりました。 |
|
最愛のママ Sr.ジーンの腕に抱かれたドピイ photo by Sr.Jean |
|
ドピイは18年 生きていたといいます。 腎臓や その他もろもろの病を 耐えて いつも 修道院のなかに 笑いを贈りました。 野良猫の身から 愛するママに出会えた 幸運な猫 ドピイ。 でも、シスタージーンは言われたとか、「 ほんとうに幸運なのは わたしです 」と。 ドピイはのちに、M修道会の庭の一隅に埋められたそうです。 Dという頭文字が書かれている、形のいいちいさな自然石が、ドピイのお墓とか。 賛美歌の流れる祈りのとき、にゃ〜♪と、ないてる声が、聞こえるようですね。 |
|
はるか東洋の島国・日本へ来て 数多くの娘たちを 愛をもって育んでこられた シスタージーン! 今は故国アメリカで 貧しい人のために 献身していらっしゃるようですね。 あなたが旅行用のトランクをもちだすと、生前ドピイは かなしげに ウロウロし始めるという ことでした。でも、もうそれも懐かしい”おもいで”に なりました。 メリー クリスマス! |
|
ずっと以前のことになります。ドピイがまだこの世に元気でいた頃、 シスターからのお便りには こんな ステキな 署名がありました。 文面にある ビーフというのは、実はちょっとした事情が あったのです(笑)。 京都は新京極に 「三島亭」というスキヤキ屋さんがあるのを ごぞんじでしょうか? 修道院は清貧をモットーとされるところですから、或る日シスターはお店を眺めただけで 通り過ぎていきました。そして帰ってからひとこと。「 においを嗅いできた! 」 と。 なかよしのシスターCからその笑い話を聞き、先の靴下のお礼もこめて、 わびすけはささやかなギフトカードを出させて頂いたもようです。 なあに、ドピイにかこつけて ドラネコの代理としての プレゼントだったのでしょう。 さんくゆう べりまっち! |
|
関連ページ 『ウイーンの教育者・優雅なベアトリックス校長』 |